ある特定の麹菌株の組み合わせで共培養を行うことで、得られる菌核の内部にこれまで報告がなかった新たな構造が出現することを報告した論文がFungal Biology誌に掲載されました。
新たな構造はAspergillus flavusやA. parasiticusといった近縁種で有性生殖が起きる際に観察される「子嚢果」と容貌が酷似しており、A. oryzaeにも子嚢果が形成される可能性を示唆したものです。
この新たな構造が出現する条件は菌株の組み合わせと培養条件の最適化が必要で、その条件について報告をしています。 今回の報告では子嚢果が内包する子嚢胞子が出芽することで得られる次世代株の獲得には至っていませんが、有性生殖技術の確立を目指し、今後も研究を継続していきます。
論文掲載にあたり、東京科学大学とぐるなびから広報リリース記事を発表していますので、こちらも合わせてご覧ください
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<文献情報>
Kazunori Sawada and Takuji Yamada, Observation of novel internal structures within sclerotia of industrial Aspergillus oryzae strains. (2025) Fungal Biology, 129:8 101669